ヒアリ 単女王性コロニーと多女王性コロニーの違い どちらが脅威なのか?

 

日本を震撼させているヒアリ。

 

驚異的な繁殖力と環境適応能力を持つ危険な外来生物です。

 

日本の侵略的外来種ワースト100にも選出されていますね。

 

このヒアリですが、生態について誤解される情報が出回っています。

 

女王が1日に産む卵の数や巣の形態などなど。

 

どの情報も間違いと言うわけではなく、コロニーの形態によってヒアリの特性も違ってくるようで、混乱してしまう人は多いかと思われます。

 

そこで、今回はヒアリのコロニーの種類についてまとめてみました。

 


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コロニーの種類は主に2つ

 

ヒアリは巣に1匹の女王蟻からなる、「単女王性コロニー」と複数の女王が共存する「多女王性コロニー」が存在します。

 

2つのコロニーに共通しているのは巣の形状など。

 

違いは主に、女王蟻の生態です。

 

違いを見ていきましょう。

 

単女王性コロニー

 

単女王性コロニーの女王蟻は飛行能力が高く、1日に産む卵の量も多い。

 

飛行能力は数キロ先まで飛ぶことが可能で、状況によっては県をまたぐ可能性も十分に考えられますね。

 

1匹の繁殖力としては単女王性コロニーの女王蟻の方が優れていて、1日に1000個~3000個の卵を産むと言われています。

 

繁殖力に関しては働きアリの数や、環境によっても変わります。

 

参考→ヒアリの繁殖力!女王蟻は1日2000個の卵を産む?日本に拡大する外来生物

 

単女王性コロニーで新しい女王蟻が産まれた場合、その女王は巣にとどまる事は許されず、別の場所に移る事になります。

 


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多女王性コロニー

 

多女王性コロニーはその名の通り、一つの巣に複数の女王が存在しています。

 

飛行能力は低く、中には全く飛べない女王蟻も存在するようです。

 

繁殖能力も単女王性コロニーの女王蟻と比べると低いと言われていて、1日に100個程度の卵を産むと考えられていますが、詳しい事は分かっていません。

 

ヒアリの生態についてはまだなぞが多い部分があるようですね。

 

どっちが脅威なの?

 

2つのコロニーの情報を以下にまとめてみました。

 

飛行能力 繁殖能力
単女王性 高い 1日2000個の産卵
多女王性 低い 1日100個の産卵

 

この表だけを見ると飛行能力も低く産卵能力も1日100個で、多女王性コロニーはそこまで危険はないかと思われます。

 

しかし、学者や研究者は多女王性コロニーを危険視する人が多いようです。

 

数の力

理由はその繁殖能力にありました。

 

卵を産む数は少ないと言われている多女王性コロニーですが、コロニーが成長すると当然女王蟻も増えます。

 

1つのコロニーに女王蟻が100匹いるだけで1日1万個の卵を産むことができるのです。

 

一説には多女王性コロニーのある場所、1ヘクタールにつき9万匹のヒアリがいると言われています。

 

9万匹って1日100個と考えると1日で900万匹も増えるの?

 

ちょっと気持ち悪いくらい増えますね・・・・

 

人間が運ぶ?

単女王性コロニーの女王蟻は飛行能力が高く、県をまたぐ可能性があると指摘しましたが、海を越えて国をまたぐ可能性は低いと言われています。

 

理由は、女王蟻の個体が少ないので偶然、女王蟻まで運んでしまうという可能性が低くなるからです。

 

反面、多女王性コロニーは女王蟻の数が多いので、運ばれた土などに女王蟻が潜んでいる可能性が比較的高くなります。

 

このことから、複数女王性コロニーの女王蟻が国を渡る可能性が高く、警戒されていますね。

 

現に、南アメリカからオーストラリアに渡ったヒアリは遺伝子分析で多女王コロニーのヒアリだと分かっています。

 

国をまたぐと言う事は当然、国内でも急速に広がる恐れがある為、多女王性コロニーを一掃警戒する必要がありそうですね。

 


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ヒアリの定着を防ぐには?

 

日本国内の定着は時間の問題だと思われますが、生息地域の拡大を防ぐことは出来ると思われます。

 

オーストラリアでは2001年にヒアリが初めて発見されましたが、研究者や住民の協力もあり拡大を抑えています。

 

対策としては主に3つ。

 

・多女王性コロニーの積極的な駆除

・運搬物資の管理

・地域住民の協力

 

オーストラリアでは多女王性コロニーを優先的に駆除対象としています。

 

やはり、多女王性コロニーをより脅威と見ている事が分かりますね。

 

運搬物資についても厳しくチェックが行われていて、ヒアリの出す臭いをかぎ分ける犬などを投入しヒアリの検査をしています。

 

上記2つも大事な対策ですが、一番大事なのは地域住民の協力です。

 

オーストラリアでは、ヒアリの教育を積極的に行っていて大人も子供もヒアリについて詳しく知っている人が多いようです。(一部の地域)

 

住民1人1人が目となってヒアリを見つけるので駆除も素早くできるというわけですね。

 

最後に

 

ヒアリについて色々と書きましたが、ヒアリの駆除は人間の都合です。

 

汚い言い方をすれば人間が邪魔だと思うから自己中心的に殲滅していると言ったところでしょうか。

 

人間にとって危険な生物なのは変わりありませんが、ヒアリ自体は悪でもなんでもなく、一つの命です。

 

人間の都合だけで駆除してしまう事を当たり前と考えるのは少し違うと思うので、広い視点を持って対応する事が必要になってくるでしょう。

 

まぁ、痛いし怖いし本音を言うといなくなって欲しいと思うんですけどね・・・

 

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