未来のミライ】タイトルの矛盾や物語の謎 ゆっこが変身する意味は?

   

 

2019年7月19日の金曜ロードショーで細田守監督の「未来のミライ」が地上波初放送です。

 

「よろしくお願いしまぁ~す」が代名詞の「サマーウォーズ」が公開10周年ということで、2週連続で放送されます。

 

「時をかける少女」・「バケモノの子」・「おおかみこどもの雨と雪」の作品でも有名な細田守監督の作品です。

 

映画公開当初より賛否両論あるこの作品の疑問点や矛盾点について書いてみたいと思います。

 

※この記事はネタバレを含みますので、ご了承ください。

 


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ユッコが人間に変身する意味は?

 

物語は、あまえんぼうの男の子くんちゃんに妹が誕生するところから始まります。

 

妹が生まれて、両親をとられてしまったくんちゃんは、赤ちゃん帰りをします。

 

両親の気をひこうとしたり、妹のミライちゃんに意地悪をしたり、そんなくんちゃんの前に、自分はくんちゃんが生まれる前は王子だったと名乗る男が現れます。

 

これが、くんちゃんの家のペットであるミニチュアダックスフントのゆっこの変身した姿なのです。

 

「未来のミライ」のストーリーには、くんちゃんが経験する5つの不思議な出来事が描かれているのですが、その一つ目に当たります。

 

その他の出来事は、時間を旅するような出来事であるにも関わらず、なぜゆっこの話は、ゆっこが人間に変身する話なのか。

 

時間旅行に統一するならば、くんちゃんが生まれた瞬間にタイムトラベルして、その時にゆっこが寂しそうにしているという表現でもよかったのではないでしょうか。

 

ゆっこは、くんちゃんが生まれるまでは、くんちゃんのおかあさんとおとうさんに溺愛されていました、ところがくんちゃんが生まれたことでその座を奪われたのです。

 

そして、現在ミライちゃんが生まれ、おかあさんとおとうさんの愛を奪われたと感じ、憤るくんちゃん。

 

ゆっこは、そんなくんちゃんを滑稽だというためだけに登場したのでしょうか。

 

その後、ゆっこから尻尾を奪い、家の中を走り回るくんちゃんが描かれていますが。

 

このシーンは、確かにくんちゃんの幼児らしさが溢れています。

 

実際の幼児は、犬に変身したりはしませんけど、子供の感情の切り替えの早さに「こういうところがあるね、またはあったね」と感じます。

 

それは、子供らしいわがままや、感情のままに暴れている様子が描かれているからだと思います。

 

とは、いってもいきなり犬に変身しちゃうので、違和感を感じる人も多いのではないでしょうか。

 

これは、やはり監督の趣味が反映していると考えられます。

 

細田監督は、「おおかみこどもの雨と雪」や「バケモノの子」でもわかるように作品に動物を取り入れられることが多いですからね。

 

くんちゃんのお父さんとお母さんの名前は?

 

未来のミライで登場する人物たちで、名前が出てくるのは、くんちゃんとミライちゃんと犬のゆっことお母さんの弟のよういち(よういちは、名前だけの登場です)くらいです。

 

くんちゃんは「太田訓」で、ミライちゃんは「太田未来」。

 

ところが、お父さんやお母さんの名前は不思議と出てきません。

 

これは、4歳の男の子であるくんちゃんが、物語の終盤で自分のお父さんとお母さんがわからないということと関係があるのでしょうか。

 

それとも、この映画を見ているお父さんやお母さんたちに共感が得られやすいようにあえて名前を出さなかったでしょうか。

 

実際、子供がいると夫婦それぞれの名前で呼んだりすることも少なくなる方も多いのかもしれませんね。

 

ミライちゃんが未来から来た理由と初節句の謎

 

未来からやってきたミライちゃんが登場することになる理由それは、なんと「雛飾りを片付けてもらうため」。

 

初めて映画を見たら、「えっ」と思われるのではないでしょうか。

 

タイトルにもなっている未来からやってきたミライちゃんですが、雛飾りを片付けるのが遅れるとお嫁に行き遅れるという理由でくんちゃんに会いに来るのです。

 

てっきり、二人の存在を揺るがすような危機的状況(例えば、両親の仲違い等)を回避するためにやってくるのでは、想像していたので、拍子抜けしました。

 

お父さんの詳細な過去エピソードがないのは?お父さんの扱いが雑

 

くんちゃんのお父さんはフリーの建築士だそうです。

 

くんちゃんが生まれた際には、会社で働いていて、あまり育児に参加していなかった様子です。

 

産休から復帰する直前のお母さんから育児を習いつつ、未来ちゃんのお世話に励んでいて、その奮闘ぶりは分かりますが、くんちゃんが経験する不思議体験の5つのエピソードの中には、お父さんの話はありません。

 

お母さんの子供の頃にくんちゃんがタイムトラベルする話はあるのに、お父さんの子供の頃の話は最後に少し「子供頃に身体が弱く、自転車になかなか乗れなかった」紹介されるだけという扱いの差。

 

くんちゃんが自転車に乗れるようになるまでの話として、曽祖父が登場します。これがお父さんの話でもよかったのでは、と思ってしまいます。

 

しかも曽祖父は、おかあさん方の血縁なのです。

 

初節句に来ているのも母方の祖父母でしたし、父方の血縁が出てこないのはなぜなんでしょうね。

 

タイムトラベルのルールの謎

 

未来からやってきたミライちゃんは、雛人形を片付けるためにやってきたわけなのですが、この時に現在の赤ちゃんであるミライちゃんと未来の成長したミライちゃんは、同時に存在できない様子が描かれています。

 

ところが、くんちゃんが未来の世界(?)に迷い込んだ際、くんちゃんは成長した自分と出会っています。

 

「同時に存在出来ないはずでは」と疑問に思うはずです。

 

赤ちゃんの未来ちゃんがいなくなる現象は、おとうさんが、いないことに気づくというシーンで分かります。

 

なので、当事者以外の第三者から見ると同時に存在しえないけれど、当事者自身にはお互いが見えるということなのかもしれないですね。

 

そう考えれば、くんちゃんが未来の自分と話したりしているのも説明がつくのかなと思います。

 

タイムトラベルの装置はあるのか?

 

そもそもどうやってミライちゃんやくんちゃんは時間を旅することが出来たのでしょうか。

 

どの時間旅行の際にも、くんちゃんの家の庭にある樫の木が光っていることに気がつきます。

 

おそらくこの木がタイムトラベルの装置的な存在であると考えられるのではないでしょうか。

 

樫の木は、ブナ科の常緑樹の総称だそうで、シラガシやアカガシなど種類があるようです。

 

シラガシの花言葉は「長寿・勇気・力」だそうです。

 

家に植える木としても人気がありそうですね。

 

タイトルの矛盾

 

物語の主人公は、やはりくんちゃんです。

 

なのに、タイトルは「未来のミライ」

 

ミライちゃんの登場も重要なシーンでは出てきますが、そんなに多くないのにタイトルになっているのはなぜなんでしょう。

 

やはり一番は、監督の息子さんから「夢の中で大きくなった妹に会った」というのが、映画の着想のきっかけになっているからなんでしょうね。

 

そして、タイトルを聞くと一体未来から来た妹とくんちゃんにどんな事件が始まるんだろうときになりますよね。

 

実際は、大事件という大事件は起こらないかもしれませんが、日常と過去や未来が入り混じる中で血のつながりみたいなものを描かれていますね。

 

最後に未来の世界(?)に迷子になったくんちゃんが、遺失物係りのロボットに自分を証明するように言われるわけなんですが、存在の証明として「ペットのゆっこ」はだめと言われるので、やはりこの話は家族の絆ではなく、血のつながりがテーマなのでしょうね。

 


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