日本でヒアリが発見され、現在駆除が進んでいるようですが、根絶は難しいとシミジミ思う今日このごろ。
ヒアリという言葉に敏感になっている時にTwitterで気になるツイートを見つけました。
「ヒアリはスズメバチ科だから危険」というもので、「おお!なるほどね~」とその時は思いましたがなんかしっくりきません。
色々と調べてみると蟻はスズメバチ科の種類が多く特に珍しい事ではありませんでした。
そして、多くの蟻はスズメバチ科だからと言って毒を持っているというわけでもないようです。
勘違いが広まりそうだと思い色々と調べていたのですが、案外的を得た指摘でした。
詳しく見ていきましょう。
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ヒアリとスズメバチ
スズメバチとヒアリの分類を見てみましょう。
【スズメバチ】
目 : ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : スズメバチ上科 Vespoidea
科 : スズメバチ科 Vespidae
亜科 : スズメバチ亜科 Vespinae
【ヒアリ】
目 : ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : スズメバチ上科 Vespoidea
科 : アリ科 Formicidae
亜科 : フタフシアリ亜科 Myrmicinae
属 : トフシアリ属 Solenopsis
Twitterにあがっていたのはこの辺りだったと思います。
確かに、どちらにも「スズメバチ」の文字を確認する事ができますね。
それもそのはずで、生物学的に蟻とスズメバチは下手な蜂より近縁なのです。
現にミツバチよりアリの方が近縁と言う事が分かっています。
ただ、日本の蟻は毒針を持たない為、この事実が一般的に広まらなかったようですね。
全く関係ないですが、シロアリはアリの中までは無くゴキブリの仲間。
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毒の種類
ヒアリとスズメバチの毒は同じなのでしょうか?
同じスズメバチ科だから毒も同じと考えるのはちょっと待ってください。
この2匹の毒は違います。
それでは解説してきましょう。
スズメバチの毒
スズメバチの毒は「毒のカクテル」と言われているくらい複雑で種毎に成分、比率などが違っています。
・ヒスタミン
・神経毒(セロトニン、アセチルコリン)
・ペプチド(ホーネットキニン、マストパラン、マンダラトキシン、ベスパキニン)
・タンパク質(細胞膜を分解するホスホリパーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼ)
ヒアリの毒
ヒアリの毒について詳しく解説しているところがあまりないですね。
ウィキでさえアルカロイド系の毒、少量のタンパク質と書かれているくらいです。
・アルカロイド系の毒(ソレノプシン)
・タンパク質(ホスホリパーゼ、ヒアルロニダーゼ)
スズメバチに刺された人でもアナフィラキシーは起こるのか?
ヒアリはスズメバチと同じと考えると色々な勘違いが産まれてくると思われます。
その中でも私が特に気になったのは「スズメバチとヒアリの毒」です。
科が同じだから毒の種類も同じで、一度スズメバチに刺されたことがある人はアナフィラキシーのリスクがあがるのか?
と言う事です。
コレが一番気になる部分ではないでしょうか?
過去ハチに刺された事がある人は、体内に免疫を持っていると思われます。
その状況でヒアリに刺されると稀にアナフィラキシーショックを引き起こし最悪の場合、死に至る事もあるからです。
では、上に書いた「スズメバチとヒアリの毒の種類」をもう一度見てみましょう。
既に分かっている人はいるでしょうが、タンパク質に共通する毒がありますね。
「ホスホリパーゼ」
このたんぱく質はアナフィラキシーショックの原因となるモノでスズメバチとヒアリの毒に共通点がある事が分かります。
そうです、スズメバチに一度刺されて免疫を持っている人がヒアリに刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
以前の記事で「ヒアリに刺された人は日本には少ないからそこまで脅威と感じるのはどうか?」みたいなことを書きましたが、間違いでした。
逆にヒアリ→スズメバチというケースもあるかもしれませんね。
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まとめ
・スズメバチとヒアリがスズメバチ科だから危険というわけではなく、アリは基本的にスズメバチ科。
・しかし、毒の成分に両者とも「ホスホリパーゼ」が含まれている為、アナフィラキシーの可能性は否定できない。
・スズメバチに一度刺された人はヒアリに注意すべき!
まとめるこんな感じでしょうか。
スズメバチは巣にさえ近づがなかればそこまで脅威ではありませんが、ヒアリは物凄く小さいため、知らず知らずのうちに巣に近づいてしまう危険もあります。
特に小さいお子さんは要注意ですね。
日本でアリは生命を脅かす生物ではありませんでしたが、これからは違いそうです。
怖いですね~。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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